『夕陽』


20161103tsugumiDSC08814-3.jpg


2016.11.06 model*つぐみ

                  ﹆

 夕陽を正面から浴びて立つ小柄な少女の姿を想像してみて欲しい。それはまさしく僕の少年時代に追いかけた少女像のひとつである。その美しさは人工的には絶対につくれない。この少女役に選んだのはつぐみ。初めて撮った時はまだ十四才だった。

 つぐみは小柄である。そこが今日撮る写真にとってとても大切な要素だった。小柄であることは単純に可愛らしい。それは小柄な女の子の特権である。「わたし小さいから・・・」「小さいから可愛らしい、でしょ?」僕はつぐみの言葉を遮るように言った。

 十一月の午後三時はもう夕刻の気配があった。ススキは逆光に照らされ黄金色に輝いていた。過ぎ去った昔、とりわけ少年時代の記憶の中の光景はセピア色で、それが秋の思い出となればそのシーンの中に黄金色のススキがちゃんと存在している。

「撮影場所はここなんだ。ここは半世紀前、つまり僕の少年時代と同じ光りが今も残っているんだ。東京中探し歩いたけど、当時と同じ光が残っているところは数カ所しか見つからなかった。その光の中に君を立たせたいと考えていたんだ。わかる?」とつぐみに言った。
「なんとなく・・・」
「ここに立って半世紀前の光の中で君は着ている服の前を上げるんだよ、、、」
「・・・」

                  ﹆



□この写真は個展で展示するものではありません。。。





2016-11-08 : 29th個展へ向けて : コメント : 0 :
コメントの投稿
非公開コメント

« next  ホーム  prev »

プロフィール

ogaeri

Author:ogaeri
1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
このブログのすべての写真や文章などコンテンツの無断コピー、無断転用を禁じます。

月別アーカイブ

ブログ内検索

FC2カウンター