『次は神保町画廊』


 九月の個展が終わってから何かに憑かれたように写真を撮り続けた。連続していた撮影があるきっかけで途切れた時、僕はふと我に返ったみたいに来年のことを考え始めていた。つまり、次にやらなくてはならないことから避けるために撮影をしていたという面は否定できない。もちろん、その間に撮った写真はどれも良いのですが。

 次のこと、それは三月に開催する神保町画廊での個展です。これまでに開催した28回の個展はすべて自分だけでやってきた。(もちろん多くの方が手伝ってくださったから)つまり、初めて画廊で開催することになったのです。もちろんとても期待してるけど、むしろ不安なことばかり考えてしまう。そもそも僕はそういう人間なのです。撮影前日の撮影予定時間にロケ現場へ行って、その場所に立ってみて、精神的な不安を解消していることも僕を表しています。
 
 神保町画廊での打合せを数週間後に控えたころ、ミニ写真集を作り始めた。最初に選んだ写真集のタイトルは『たま子』で、それは一週間ほどで完成しました。自分好みのミニ写真集ができました。以前から僕はこのミニ写真集の神保町画廊ヴァージョンを作りたいと考えていました。2004年頃、狭い会場で個展を開催する時に作ったテキスト本の写真入りです。そのテキスト本を読みながら展示した写真を観てもらっていたのです。

 愛車が故障しました。先月車検を通したばかりでした。修理に数日かかるけどすぐに直ると思っていました。この車は16年乗っている僕の相棒です。僕はとてもショックを受けました。車と同調するように僕の体調も悪くなりました。(後に重大な損傷が見つかってしまいました。修理できるのか・・・)

 打合せのために神保町画廊へ行く日が来ました。当初は車に写真集やファイルその他の資料を積んで行くつもりでしが車がありません。しかたなく派手なリュックに数冊のファイルを詰めて、あとはミニ写真集の『たま子』のテスト版を持って家を出ました。画廊に着くと、佐伯さんが待っていてくれました。コーヒーを出してくれた後は僕の個展のことを話し合いました。佐伯さんが考えていることが何となくわかりました。ひとりで考えてやってきたことと違う意見があることに新鮮な悦びがありました。二十四年間に撮影した作品が佐伯さんの眼を通して並べ替えられるのも悪くないと思いました。とても有意義で、あっという間の二時間でした。
「近いうちに、また打合せしましょう」と佐伯さん。
「ええ、神保町画廊で逢いましょう」
「さようなら・・・」




□第29回魚返一真個展『神保町画廊で逢いましょう』(仮題)
2017.3/3(金)3〜3/3(月)
神保町画廊にて開催


□第7回魚返一真写真塾グループ展『ALL GIRL.7』
2017.9/19(火)〜9/24(日)
渋谷ギャラリー・ルデコにて開催
※参加者募集中。(参加可能数があと二名になりました)


2016-12-02 : 29th個展へ向けて : コメント : 0 :
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1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
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