『イブに君と川へ行く』


2016.12.24 model*たま子

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 イブに予定がない僕たちはこの行き止まりの町をさまよい歩くことになった。僕たちが歩いている道の百メートル左側は大きな川で、道と川の向かう方向のせいで、次第にその距離は縮まっている。今日に限って言うと、できたらその川には行きたくないと考えていた僕たちは、だんだん足取りが重くなっていた。
 娘と会って、電車に乗った時、ミニ写真集を渡した。でも、これクリスマスプレゼントだよ、などとは言わなかった。僕にとって、そして娘にとって、そんな軽いものではないから言えなかったのだ。そして、その本を手にした娘は何も語らなかった。ついに、道は川とぶつかって平行になった。僕たちはしかたなく土手を越えて河川敷に下りた。

「あのぉ、撮りたいのがある」と僕が少し躊躇しながら言うと、娘は無言で、なんでしょう、と眼で言った。
「ぱんちら」と僕が言うと、またそんなことおっしゃって、仕方ない方ですね、と眼で言った。

 結局僕たちはいつものようにマスターベーション的な領域を出ることない撮影をした。何度撮ってもその感覚は新鮮で、この娘の中にある普遍性と関係があるとまた思った。
「きみ、ヴァージンだよね、つまり処女」と言うと、娘は沈黙していた。


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2016-12-25 : 29th個展へ向けて : コメント : 0 :
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Author:ogaeri
1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
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