『桜散る踏切』


2017.4.14 model*Olivia

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 満開の桜。美しいとは思うのですが、僕はやはり少年時代に家の二階の窓から北北西方向の山の上に見えた自衛隊の夥しい桜の樹を威圧的に感じたことを思い出すのです。僕の精神は毎年桜の季節に悩み、この町から逃げ出してローカル線を走るキハ07に乗って川の上流を目指すのです。その時の気持ちは朔太郎の『桜』に似ていると後年気づきました。

 桜が散り始めました。僕と娘は吹きだまりに溜った花びらを集めてレジ袋いっぱいに入れました。そう言えば去年も同じことをしました。そして、僕が大好きな踏切や川原に行って娘に花びらを散らすように言いました。ただそれだけです。僕は娘が桜の花びらを投げ散らす度にシャッターを押しました。袋に入れた花びらがなくなるまで何度も繰り返したのです。

 僕たちは誰もいない河川敷野球場の三塁側ベンチに並んで座りました。こうして僕は今年も桜の季節を何とか乗り切ることができました。

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2017-04-15 : 30th個展へ向けて : コメント : 0 :
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1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
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