『ズッキーニ』『貨物列車』『Cry me a river』撮影報告


『ズッキーニ』

2017.6.5 model*桃

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 桃はキュウリとズッキーニとゴーヤが好きだと言った。僕はそれに加え人参も買って約束の場所で桃を待った。時間より早く着いた桃は、車のラゲッジスペースでカメラにフィルムをつめている僕の背後から気配もなく近づいてきて「こんにちは」と言った。
「びっくりしたなぁ」桃は平然と僕の横に立っている。そもそも冗談などする子ではないのだ。今日の桃は前開きの白いワンピース。清潔感がある。
「あれっ?誰かに似ている気がする」
「笑うと新田恵里に似ていると言われます」
「ああ、なるほど。昭和っぽいもんね」

 これから桃を連れて雑木林の中にある僕のスタジオへ行く。そこで桃は生野菜にかぶりつくと言う。スタジオに着くと桃はズッキーニだけを手にして他は草の上に置いたのだった。そして、桃がズッキーニをどうしたのかを書くことはできない。皆さんの方で想像して欲しい。そして、いざ桃がその行為に及んだとき、僕は夢中でシャッターを押した。そうする以外に仕方がなかった。

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『貨物列車』

2017.6.5 model*桃

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 貨物列車に轢かれた人のことを病気で熱を出したときに夢の中で見た。少年時代のことだ。桃には想像さえ難しいのかもしれない。なぜなら貨物列車を見る機会がないから。都心を走る電車に轢かれるのとはまったく違っているんだ。ぺちゃんこになったり、こなごなになったりするけど、それほど悲惨な感じじゃないんだ。しかも、そのまんま生き続けている。

 河川敷グランドの後方に貨物線の鉄橋がある。黒い日傘をさした桃をグランドに立たせる。ただし、桃はノーブラでおまけにワンピースの前を大きく開いている。やがて貨物列車が鉄橋を渡り始めた。ファインダーの中で桃の乳房が白く光って見える。なんて素晴らしい光景だろう。

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『Cry me a river』

2017.6.5 model*桃

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 少年時代の僕は河に行きやり場のない想いをやり過ごそうとした。来る日も来る日も執拗にやってくる女への夢想。桃を河に連れて行こう。そしてどうしようもなかった想いの決着をつけようではないか。そう言えば、桃は好きな曲の中にジャズのスタンダードをいくつかあげていた。『Cry me a river』はその中のひとつで僕も好きな曲だった。曲調としては、モンクの名曲『Round Midnight』みたいに精神性を追求した旋律の部類に入る。ただし少しロマンチックでムーディーだった。<私とよりを戻したいのなら河のように涙を流して泣いてごらん>みたいな歌詞だ。ともあれ、桃がこの曲が大好きだというには、それなりに似た経験があるのだろうし、その詩に描かれた女とどこか似ているのかもしれない。

 桃を河の中に見え隠れしているコンクリートの足場に立たせた。さあ、乳房を見せなさい。ヘアを見せなさい。後ろを向いてお尻を見せなさい。その先は僕がさっき言った通りだ、と言うと桃はその破廉恥な行為をごく自然にやってのけて僕を驚かせたのだった。僕の眼の前に展開している、光る河の水と初夏の青い空や白い雲に対して、桃の乳房とヘアや尻との組合せを眺めながら、ただただ感動したのだった。

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2017-06-05 : 30th個展へ向けて : コメント : 0 :
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Author:ogaeri
1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
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