『ホームから中杉通りを眺める』『貨物列車に会うために』・・・撮影報告


2017.6.9 model*オリビア

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 阿佐ヶ谷駅の四番線ホームの娘は赤いスカートが眼にも鮮やかだった。娘は女性専用車乗車口というピンク色のマークの上に立っていた。やがて上り電車がやって来て、そして発車して行ってしまってもまだ娘は同じ場所に立っている。僕はその光景をローライフレックスのファインダーの逆像で見ている。鉄道ファンとして至福の時間だ。

 ホームから中杉通りのケヤキが美しく光って見える。この街が好きで、女の子をここへ連れて来ては撮影したのが昨日のことのようだ。ケヤキはあの頃とまったく同じに見える。僕はホームの娘とケヤキを撮った。あまりにも美しい光景だった。そして時の流れを感じ瞼が熱くなったのである。JR中央線・阿佐ヶ谷駅は、僕が選ぶ美しい駅百選の上位なのだ。

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『貨物列車に会うためには』

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「貨物列車に会いたいんだ。でもダイヤがわからない」
「じゃあ、私は貨物線の鉄橋の見える場所で、貨物列車が来るまで待っています」
「そうしてくれたら嬉しい。もし貨物列車が来たら大きく手を振って欲しい」
「はい。わかりました」

 僕たちは鉄橋の見える河川敷で待つ事にした。ほどなく電気機関車単体と電気機関車の2重連が来たけれど、貨物車両を長く牽引した列車はなかなか来なかった。ついに僕たちは川辺に行って釣り人の様子でも見ようと歩いていると、頭上を貨物列車が通過して行った。
「もう少し待つべきだったかな」
「やっぱり、そうだったでしょうか」

 僕たちは上流に向かってかなり歩き川の瀬の向うに小さく貨物線の鉄橋が見える場所にたどり着いた。そこで待つことにしたがやはりお目当ての貨物列車は来ない。
「来ないね」
「ええ、でも今度は来るまでここを離れないつもりです」
「ああ、僕も付き合うとも」

 暑かった。この子、日焼けするだろうな、などと考えていたら、電気機関車が鉄橋に差しかかるのが見えた。
「来た!早く水辺に立って貨物列車に手を振るんだ!」

 青い空と白い雲、青い電気機関車が牽引する数十両の緑色の貨物車、鉄橋の下の清々しい瀬、そして女の子の白い帽子とロングヘア、そして赤いスカート、それらすべてが奇跡的な光景を作っていた。僕は夢中でシャッターを押した。

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2017-06-09 : 30th個展へ向けて : コメント : 0 :
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Author:ogaeri
1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
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