『七夕に叶うこと』


2017.7.7 model*マリア

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 マリアは難解な女の子だ。敢えてそうしているのか、僕に理解力がないのか、それともそれ以外の問題なのか、今はまだわからない。いずれにしても普通とは違うのではないか、と感じていた。さらにつけ加えれば、近寄りがたいオーラを出す美人である。これが三月に開催した神保町画廊でマリアに会った時の印象だった。それから三ヶ月半ぶりの今日、マリアと再会する。

 駅に現れたマリアは、薄いブルーの半袖ニットとベージュ色のコットンのミニスカートを着て、髪は敢えて手を入れることなく、ただなだらかにウェーブさせて乳房の少し上まで垂らし、顔はあくまでも白く薄く神々しさを醸し出していた。つまり、あの日のマリアとまるで違って地味だった。この僕への裏切りは、この子にしかできない芸当だと思った。それは、強い印象を与えるために仕組まれたサプライズ的なものではなく静かに僕を襲ってきた。マリアは例えば三島の小説を華やかに彩る品のある娘役として僕の目の前に現れたのである。

 実際、マリアの仕草は育ちの良い家庭で育ったことをもの語り、由緒ある家督を継いだ家族の溢れんばかりの愛情を独り占めした結果として備わったとしか言いようのない、品の良い愛らしさがあった。

「君にリンゴをあげる」マリアがリクエストしたリンゴに加えアイスピックを手渡した。
「わたし、リンゴが好きです」
「リンゴをアイスピックで刺してごらん」
「こうでしょうか」マリアはアイスピックをリンゴのヘタのすぐ側に突き刺し、リンゴというものはウイリアムテルが息子の頭上に置いたリンゴのごとく横から射抜くものという常識を裏切った。

 僕には願望があった。それは、叶うことならマリアの乳房と下腹部を見たいということだった。今日は七夕。そのせいのはずはないが、マリアは僕の願いを叶えたのだった。それは、僕の想像を遥かに超えて美しくエロチックだった。

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2017-07-08 : 30th個展へ向けて : コメント : 0 :
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1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
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