FC2ブログ

『秋晴れの日は妄想に返る』


2017.09.29 model*美月

                   ﹆

 小説『こころ』を繰り返し読んで主人公の真意を理解しようと考えるように、これまで何度も美月を撮ってきた。それは僕にとって美月はとても難解な女だからだ。それらの撮影の結果数々の傑作を残せたのだが、一方で美月を理解する努力は徒労に終わったのも事実だった。もはや万策尽きたと考えた時に、僕は25年前に女の子を撮り始めた時の、初期の手法で美月を撮ることが頭に浮かんだのだった。それは小細工や駆け引きのできない撮り方で、正にストレートな妄想写真が撮れる。カメラはプラナー50mm1.4着きのコンタックスRTSを選んだ。すると僕の心は静かになって、脳裏にマーラーのアダージェットが聴こえて来た。その時僕は初心に返るんだなと思った。

 駅のホームに降りて来た美月の服装は素敵だった。上半身は大きめのチェック柄でスカート部分は黒いオーガンジーに包まれたワンピースを着ていて、ややフォーマルな印象。靴とバッグもそれに合わせてコーディネートさていて、その姿は美月がすっかり大人の女の入口にさしかかっていることを物語っていた。

 僕はホームで美月をRTSで撮った。今となってはフィルムの一眼レフで撮ること自体にレトロな感覚がある。駅を出て私鉄に乗り換えた。終着駅に着く直前に車内の戸袋に美月を立たせる。そしてスカートを上げるように言った。今日も美月は白いパンティーを穿いてくれていた。その時の僕は言葉を失いかけていた。駅を出て少し歩く。青い空に白い雲に美月が映えた。僕は道路標識に美月を寄りかからせた。空とストレートな標識とのコントラストが美月を引き立たせていた。そこでも僕は美月に下着を見せるように言いRTSのシャッターを押した。最後に僕たちは遊歩道を歩いて美月を立ち止まらせると、人がいない隙を狙って、パンティーを露出させた。その姿は秋晴れに映えてずっと昔の妄想とダブって見えたのだった。

                   ﹆



□この作品に興味がある人は拍手してください。何らかの型でお見せしたいと思います。

スクリーンショット(2017-08-14 13.56.44)
○ミニ写真集『mizuki * 美月』通販受付中
○10/8(日)写真塾モデル=美月・・・参加受付中

2017-09-29 : 31th個展に向けて : コメント : 0 :
コメントの投稿
非公開コメント

« next  ホーム  prev »

プロフィール

ogaeri

Author:ogaeri
1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
このブログのすべての写真や文章などコンテンツの無断コピー、無断転用を禁じます。

カテゴリー

月別アーカイブ

ブログ内検索

FC2カウンター