『檸檬列車』

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2017.10.02 model*スズキサキコ

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 サキコはグレーのベレー帽をかぶりロリータファッションの流れに沿った紺色のセーラーテイストのワンピースを身につけ、それは彼女の皮膚の一部であるかのうように馴染んでいて、この服装が昨日今日始めたものではないことを物語っていた。ホームで再会して、やっぱり僕は彼女のエクボをとてもカワイイと思った。こんなにエクボが似合う女の子に初めて会ったと言うのも大げさじゃない。サキコをひと言で表現するならアニメ少女。それはセル画の世界から僕たちが住むこの世に飛び出したみたいだから。僕はアニソンをほとんど知らない男だけど、これまでの人生で聴いた音楽の中でサキコに相応しいのは谷山浩子だと思っている。先日、僕の個展に現れたサキコを見た時から谷山浩子の曲が頭の中でぐるぐる鳴り始め、意味深な詩を暗い旋律に載せてあくまでもか弱く唄う彼女の細くてナイーブな声がサキコを包んでいる。サキコは笑顔がいいし明るく振る舞えるのもいい。だけどサキコが梶井基次郎の短編『檸檬』を好きだと言いうのは、内面に僕みたいな屈折を抱え込んでいるのかも知れない。いや、サキコにそういうところがあるといいなと、僕は思っているのです。

 今朝スーパーが開店してすぐに檸檬を買いました。そう、短編『檸檬』の真似事をするためです。僕とサキコは電車に乗りました。サキコが座席に座って太腿の上に檸檬を置いて膝を露出する。ただそれだけのことだけど、アニメチックで胸がキュンとしました。

 僕たちは電車を降りて多摩川の土手を歩いた。サキコが階段に腰掛けたら、お尻のヨコに白い花が一輪だけ咲いていた。なんて可愛らしいんだ!その時、僕の頭の中に谷山浩子の曲が流れてきた。何もかも素晴らしいのだけど、何もかもが儚く映る。サキコのエクボもロリータなワンピースも一輪の白い花も絵空事のようです。そう、谷山浩子の曲とは『まっくら森の歌』だったのです。

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 実はサキコには「そういうところ」があるのです。僕はあの完璧な笑顔の意味を知りたいと考えています。また撮りたいと、すごく思っています。

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□YouTube===『まっくら森の歌』
□この作品に興味がある人は拍手をお願いします。。。





2017-10-03 : 31th個展に向けて : コメント : 0 :
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1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
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