『ススキ』・・・撮影報告

20171027mizuki050-2-600WEB.jpg


2017.10.27 model*美月

                   ﹆

 美月のブラウスは、五百円硬貨ぐらいの大きさの花が数多くあしらわれた白い透けたレース地でできていて、袖が長くて手首のところで一旦くびれたあと、桔梗の花のように開いて指先まで達している。スカートはミニで、茶と紫と褐色のチェック柄のやや厚手の生地だった。(僕の記憶が確かならば)そして濃い紫色のベルベットのベレー帽をキレイにカットされた茶髪の上にきちんと載せていた。つまり、美月はかなりファッショナブルだった。

 僕たちは電車のホームで待ち合わせして川へ向かった。こんなにお洒落な女の子を川に連れていって一体なにをしようというのだろう。と僕たちを見た人は等しくそう思ったに違いない。僕自身も心の中に犯罪の香りのする違和感を抱えていた。五日前の台風に荒らされた河原では河川敷野球場の整備をする人だけが目立っていた。地面はうっすらと泥に覆われて、あちこちで雑草が哀れに倒れていた。こんな荒れ果てた河原にファッショナブルな娘を連れて歩いている時、僕はふとあの映画を思い出したのだった。

 僕が商業カメラマンになってすぐの頃、あの映画のVHSテープを買って気に入った場面で静止して絵コンテみたいに書き写していたのだった。そのコンテはロケ撮でのフレーミングに役立ったし、今でもその絵に似た景色に遭遇すると足が止まるのだ。その映画とはデヴィッド・リンチの『ブルー・ベルベット』だった。

 僕は美月をススキの前に立たせた。その地面は、映画『ブルー・ベルベット』の中で主役のジェフリー・ボーモント(カイル・マクラクラン)が切り取られた人間の耳を発見した地面を連想させて不穏な感じがした。僕はススキをバックに立っている美月にブラウスをたくし上げるように言った。白い小ぶりなブラは、美月の小さな乳房とかなりくびれたウエストと良くマッチしていた。さらに乳首を出すように言い、ライカとRTSのシャッターをそれぞれ切った。さらにストッキングとパンティーを下げスカートを上げるるように言い、またライカとRTSのシャッターを交互に切った。その時、僕の頭にはボビー・ビントンの歌声が優しく不気味に聴こえていた。

                   ﹆


□この作品に興味がある人は拍手してください。
□個展では別の作品を展示します。




2017-10-27 : 31th個展に向けて : コメント : 0 :
コメントの投稿
非公開コメント

« next  ホーム  prev »

プロフィール

ogaeri

Author:ogaeri
1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
このブログのすべての写真や文章などコンテンツの無断コピー、無断転用を禁じます。

カテゴリー

月別アーカイブ

ブログ内検索

FC2カウンター