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『タンポポのラプソディー』

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2018.4.24 model*オリビア

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 初夏は何もかもが狂ったように騒ぎ立てるのだった。地球上のすべての植物と動物たちは何かをしなければならない季節である。さて、僕はどうだ?基本的に何もしたくないのである。がしかし、そうは言っていられないとも思うのだった。オリビアに撮りたいと伝えたら、海辺の清潔な街を早朝に出てこちらに向かっている。僕も彼女が駅に着く時間に合わせて車を走らせている。カーラジオを付けるとラプソディー・イン・ブルーが流れてきた。うむ、そう来たか。今日の撮影はそういう写真のつもりじゃなかったけど、ラプソディーを撮ろうではないか。

 僕たちはあの丘を目指した。そう、この季節にタンポポが群生するあの場所だ。だるい身体に気合を入れて歩く。つまり若いオリビアに負けないように。今年はタンポポが咲くのが早いみたいだ。なんとすでに黄色い花と綿毛とが半々になっていた。それより驚いたのは、今年のタンポポの数の夥しいことだった。

「すごい!」
「ほんとうだ、すごい!」
「さあ、撮ろう!」
「わたしはどうしたら良いでしょう?」
「さあ、わからない」

 すると、ポツポツと何かが落ちてきた。タンポポの根の周囲に五ミリぐらいの実が落ちている。その実も夥しい。この実を目当てにやって来た鳥たちもたくさんいる。何もかもが狂ったみたいに夥しい。

「オリビア、そこに座って、脚でも持ち挙げてはどうだろう?」
「はい、その意味はさっぱりわかりませんが、そういたします」
「意味?もちろん、ラプソディーだよ」

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□この作品は九月に開催する個展『妄想ガール・コレクション』で展示します。
□気にいた人は拍手してね。



2018-04-24 : 32th個展に向けて : コメント : 0 :
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ogaeri

Author:ogaeri
1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
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