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「イチジクとshiho」・・・2009.4.15

イチジクとの出会いは僕がまだ小学校低学年の頃だった。当時、多くの家の庭にイチジクの樹があって、熟れて地面に落下した実のぐちゃぐちゃ感が強烈に残っている。まだ枝にしがみついていて今にも落ちそうな実を、年上のいとこはふいにもぎ取って無造作に二つに割った。僕は割られたイチジクのルックスをとても嫌いだった。「ほれ、食べんか」といとこが顔の前に差し出されたイチジクを眼をつぶり脇を向いて遮った。もいだイチジクのもがれた部分から白い液体が出てきた。「これは乳じゃあ」といとこが言う。僕はそれから山羊の乳をそれまでよりもっと嫌いになった。

イチジクを買った。とても大きなイチジク。shihoが好きだと選んだからだ。食として好きなのか被写体としてイチジクのもつどこか禁断な雰囲気を好んだのか、それとも両方なのかわからない。shihoは清楚で大人の女だ。スタイルだってスラリと細身で長身で並外れている。そこへ日本的な優しげな顔がくっついて格調高くしている。細身の日本人形だな、と思う。shihoは無口だ。ただし、僕の要求に対して素早く対応してくれる。「いい女です」とつぶやいてみるがshihoはちょっと笑っただけで何も答えなかった。初夏の公園。日に日に勢力を増す緑の中でshihoはイチジクを持ち股間を露出し乳房を陽にあらわにした。僕はイチジクそのものが苦手で、まるでshihoが魔除けにイチジクを持っているかのように思えた。何だ、それじゃイチジクが怖い男は誰も近づけやしないじゃないか。僕はシャッターを押し燃え尽きた。少年時代に顔をそむけた時と同じだ。僕はあの日、味わう前にイチジクとの関係性を自らの中で決め、今もまたshihoは禁断と決めつけた写真を、左右逆像のある種最初から視線をそむけたカメラで撮ったのだった。
2009-04-16 : フルーツスカウト2009 : コメント : 0 :
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Author:ogaeri
1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
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