『リン子』昭和ガール・・・2011.8.30

 これは残暑だろう。このところ涼しい日が続いていたのに、今日にかぎって猛烈に暑いのだ。先週リン子に出したメールには、「天気が悪そうなのがちょっと心配です」と書いていた。つまり天気予報は見事に外れた。
 リン子と対面した。真面目な女性という印象。地味目に映ったリン子の全身は、残暑の熱に焦がされ少しセピア色に見えて懐かしく感じた。僕の小学校の卒業写真の中にリン子と同じタイプの子を探すなら、前から二列目の左から三番目ぐらいに前の子の陰に半分顔を隠して立っている乙女刈りの女の子。つまり、リン子は僕の時代に存在していたとしても、いたって普通で目立たない子だったに違いない。しかし、僕の心の中にリン子に対して燃える何かがあった。理由は、ふくよかな身体であり、とりわけ胸と太腿であった。

「あのぉ~、美味しそうだね」
「はい?何がですか」
「君の身体です」 
「そう言ってくださって嬉しいです」
「どうしてですか」
「写真家の方は、そのエロチックなテンションをカメラに乗り移らせて写真を撮るのだと思うからです。ですから、私にもお役にたてそうな気がしてきました」
「脱げる?」
「ええ」

 僕がリン子に提案したのはこうだ。
『昭和の若妻。その若妻は川の浅瀬で何かを洗っている。浅瀬と言っても流れはある。その中に膝をつくと、勢いづいた水は太腿を這い上り、スカートを濡らし、ついにお尻まで届く。無防備な若妻の白い半袖のブラウスの胸元ははだけ、ブラを付けていないことがわかる』

「やれる?」
「はい、やってみます」

 撮影が始まるとリン子は最初の印象と違った。地味目に映っていた全身は、濡れた肌をみずみずしく光らせて、美しい昭和ガールになっていたのだった。

□この作品をご覧になりたい方は拍手をお願いします。。
2011-08-31 : 昭和ガール : コメント : 0 :
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1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
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