『禁断のバード・ウォッチング』



2017.6.29 model*Olivia

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 どうやら僕たちがいる場所は鳥たちの楽園のようなのだった。大木の幹の裏側に二人で息をひそめていると、バードウォッチャーが抜き足差し足と周辺を探しまわっている。僕たちは何も悪いことをしていないけれど、彼らに見つからないようにこうして潜んでいると、次第に禁断なムードに包まれてきた。しかし、それは僕の作品にはかえって都合が良かった。もしこの場所に流れる音楽があるとすれば、トリスタンとイゾルデの前奏曲がぴったりだと感じたのは、曇り空を遮る色濃くなった樹々の葉を撫でて通る湿った風が僕の気分を暗くしていたからだ。この時僕の頭をよぎったのは、ラース・フォントリアの映画『メランコリア』なのは明白だった。というのは、ここへ来る前に娘と同じ監督の『ニンフォマニアック』の話をしたところだったから。

 娘に国鉄時代に貨物操車場で使った緑と赤の手旗を渡し、娘の左後方にある樹の枝におもちゃの釣り竿を立てかけた。僕の心の中では、その意味付けは正しいけれど、この娘には理解できないだろう。

「この作品のタイトルは何だかわかる?」
「いいえ、わかりません」
「『禁断のバード・ウォッチング』っていうんだ」
「わからないけど、そんな感じかも・・・」
「お願いがある。君が着ている服を可能な限り脱いでほしい。もちろん、すべて拒否することも可能だよ」
「???」

 バードウォッチャーが立ち去ると、僕たちの周りにたくさんの小鳥が舞い降りてきた。どうやら、鳥たちは真面目なバードウォッチャーより自慰的な写真を撮ろうとしている僕たちを友だちに選んだみたいだ。

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2017-06-29 : 30th個展へ向けて : コメント : 0 :

『Welcome back』と『Apple Hill』・・・撮影報告



『Welcome back』

2017.6.25 model*莉菜

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 誰にも、ふと会いたいと思う人がいるはずだ。ある曲を聴くとなんとなくその子のことを思い出してしまうし、今も変わらないでいてくれるかな、みたいにその女の子のことを考えてしまう。中央線に乗っていると青春時代に戻るし、ホームにいるとあの子に会えるのではないかという気がする。ある男性にとって中央線はそういう場所で、まさしく僕もそのひとりなのだ。

 莉菜と吉祥寺の2番ホームで落ち合って、すぐにやってきた各駅の上り電車に一駅乗った。ここは西荻窪、青春の街である。今から四十年前に莉菜のような女の子がこの街を歩いていただろう。ホームに立たせて写真を撮った。莉菜が好きだというリンゴを渡してまた撮った。莉菜って何て可愛らしいヤツ!その時、風がお帰りなさい、と吹いてきた。ああ、またあの子とあの古い喫茶店に行きたいな。

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『Apple Hill』

2017.6.25 model*莉菜

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 莉菜と雑木林を歩いた。彼女といると心が和む。その理由はわからないが素敵な時間がやってきたことは確かだった。これから撮る写真は、ずっと莉菜に撮りたいと伝えていたものだった。いざ撮らせることを承諾した今でも莉菜は迷っているに違いなかった。

 莉菜はリンゴがひとつ入った袋を下げている。彼女が大好きなリンゴの使い方はただひとつだけど、まだ莉菜はそれをわかっていないみたいだ。

「座ってごらん。リンゴを股間に置いてごらん」
「あ、はい」莉菜は従った。
「今度はスカートを上げてリンゴで下着を隠してごらん」莉菜がそれを受入れた横顔を見ると強さが顔を覗かせて今までの彼女から少し脱皮したような感じがした。それとも本当の莉菜が表れただけなのか、僕にはわからない。とにかく良い気分。ありがとう!可愛らしい莉菜と季節はずれのリンゴ。

「Apple Hillって曲知ってる?いや知っているはずはないね」と莉菜に言いながら、僕は静かにジョン・セバスチャンに感謝した。この曲を作ってくれてありがとう、と。。。

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□『Welcome back』と『Apple Hill』とも大好きなジョン・セバスチャンの曲です。このレコードを聴いていたあの時代に感謝したい。
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2017-06-25 : 30th個展へ向けて : コメント : 0 :

『ALL GIRL.7』

スクリーンショット(2017-06-21 12.00.58)
2016.1.10、写真塾にて撮影



第七回魚返一真写真塾グループ展『ALL GIRL.7』
2017.9.19TUE〜9/24SUN 渋谷ギャラリー・ルデコ(3F)

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梅雨を撮りたい。なぜって?樹の下に雨宿りしていると雨の雫が落ちて来て女の子の髪が濡れるのをみていたいから。そんな状況で女の子の側にいることに価値があるじゃないか。

雨になりたい。どうして?濡れている女の子を見てるだけなんて、もちろんカメラで撮ってもダメだ。雨粒になって女の子の皮膚を這うんだ。女の子を見ているだけじゃ満足できない。触れなくちゃ。

結局どうしたいのか?わからないなら珈琲を飲みながら考える。好きな曲を繰り返し聴くといい。どんな曲を聴きたい?う〜、迷うなあ。聴きたい曲いっぱいある。選べない。。

ポストカードでもデザインしたら?九月に開催するグループ展のだね?それに合った曲を選べばいいよ。タイトルは『ALL GIRL.7』だから。平凡だけどキャロルキングの『You’ve Got A Friend』とかじゃない?いいね〜。

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□思いつきでデザインしました。カメラマンのクレジットは変更がありますし、写真も別のものに代えるかもしれませんが、とりあえずこんな感じのポストカードです。。。



2017-06-21 : 30th個展へ向けて : コメント : 0 :

『処女のためのレクイエム』



2017.6.19 model*美乃里

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 今日は桜桃忌だ。太宰治を読むべきかとも思ったのだが、美乃里を撮ることになっているから諦めた。美乃里は幾つになっただろうか。もう5年も撮っているけれど、とにかく処女なのである。(本人がきっぱり言っている)ならば、とばかりに処女を葬るがごとくモーツァルトのレクイエムを聴きながら撮影に備えている。

 再度言うが、この女は処女である。がしかし、裸になることをいとわない。カメラを向けると、例えば官能小説のページをめくるように少しずつ肌を露出すると、その白い皮膚の美しいことこの上ない。この女は決して男の言いなりになったりはしない。つまり、女は処女なのである。

「これを挿れなさい。君ならできるでしょう」と言って女にバナナを渡した。
「はい。できますわ。処女の身ですが・・・」女は僕の要求を拒まなかった。
「ほほう、、おもしろい」
「とくとご覧あそべ」という表情のあと、皮を剥くことなくバナナをあそこへ挿入した。挿れたものが男性器ではないのなら、確かにまだこの女は美しい処女なのである。


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2017-06-19 : 30th個展へ向けて : コメント : 0 :

『美しい娘の釣り模様』



2017.6.16 model*Olivia

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 あの頃、僕の心の中は鉄道と釣りと女の子のことが入り乱れて幾つもの虹がかかったみたいだった。あの頃とは僕の人生でいちばん空気が濃かった少年時代のことだ。三つの中で唯一僕を癒したのは釣りだった。釣りと言っても、僕はどうしても魚を釣りたいという気はなかったから、道具や餌どれもいい加減だった。ただ、心のおもむくままに川へ向い釣り糸を垂れた。青空を眺め雑草を見ては、もう夏が近いのだ、と神妙な気持ちになった。でも、特に夏が好きというのでもなかったし、かといって春を好んだとも言えない。つまり僕が求めたのは、一人っきりになることだった。

 美しい娘と川へやってきた。そう、釣りをするために。だからと言って道具や餌に凝ったりはしていない。つまり魚を釣ることを唯一の目的にしていない。そう、少年時代と同じで「一人っきりになるため」、、あれ?僕はとても違和感があった。娘と一緒にいるからだ。

 美しい娘はシンプルな水着を着て下半身は細いヒダ入った白いスコートを履いていていた。手足はとても細いが健康的で適度に日焼けし髪は馬の尾みたいに長く栗色。顔は少しオリビア・ハッセーに似ていて、もし彼女をミニチュアにしたら、裕福で見栄っ張りな親戚が海外旅行の土産にくれそうな国籍不明のエキゾチックな人形みたいだと思った。娘に釣り竿を渡すと、赤いサンダルを履いた足で水に入り竿を振った。

 青い空の下で眼を醒ますと、そろそろ夏のきざしが見えてきていた。日暮れ時には蛍が舞うのだろうか。眼の前に展開されている、美しい娘の釣り模様を、不調のローライフレックスTでワンロール撮り切った時、写真を撮る幸せというものはシャッターを切る瞬間瞬間に潜むものあって結果ではないのだと思った。

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2017-06-17 : 30th個展へ向けて : コメント : 0 :

『鉄道ファンだからほのぼの』



2017.6.11 model*たま子

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 僕は1番線のベンチに座って彼女が下り電車でこの駅にやって来るのを待っていた。彼女から15分ほど遅れるという連絡が僕の心にぽっかり空白をくれた。遠い昔のことを思い出した。僕が高校三年生でどこへ進学するか考えていた時期のことだった。僕はこの街にある大学へ進学しようと考えていた。結局、そうはならなかったけれど、もしかしたらこの駅に毎日通って来たかもしれないと思っただけで何となく夢心地だった。ぼんやり線路を眺めていると妙なことに気づいた。あれ?この私鉄のレール幅ってこんなに狭かっただろうか?1067mmしかない!僕はすっかり勘違いしていた。つまり、1372mmのレール幅だと思い込んでいたのだ。眼を凝らしてもやはり1067mmしかない。

 そんな驚きの発見に感心していたら、彼女が各駅停車からホームの方へ降りてくるのが見えた。
「遅くなってすいません」
「いやいや、僕は鉄道ファンだからホームにはずっといられるんだ。それに・・・」そこまで言ったところで、驚きの発見について話そうとした自分をなだめた。

 ホームで、また少し美しくなった彼女を撮ったあと、連れだって改札を出た。少し歩いて踏切の前で立ち止まり彼女を撮った。少し蒸し暑かったけれど、ほのぼのして、鉄道ファンとしてはとてもいい気持ちだった。

「僕はバスで南の方へ向かうつもりなんだ」
「そうですか、私はそこらで買い物でもします」
「ではここでお別れ。さようなら」
「さようなら。またお会いしましょう」

 もう僕は家にいて、細野晴臣の『Hosono House』を聴きながらこの文章を書いている。鉄道ファンとしてとても幸せ。。。


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2017-06-11 : 30th個展へ向けて : コメント : 0 :

『ホームから中杉通りを眺める』『貨物列車に会うために』・・・撮影報告


2017.6.9 model*オリビア

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 阿佐ヶ谷駅の四番線ホームの娘は赤いスカートが眼にも鮮やかだった。娘は女性専用車乗車口というピンク色のマークの上に立っていた。やがて上り電車がやって来て、そして発車して行ってしまってもまだ娘は同じ場所に立っている。僕はその光景をローライフレックスのファインダーの逆像で見ている。鉄道ファンとして至福の時間だ。

 ホームから中杉通りのケヤキが美しく光って見える。この街が好きで、女の子をここへ連れて来ては撮影したのが昨日のことのようだ。ケヤキはあの頃とまったく同じに見える。僕はホームの娘とケヤキを撮った。あまりにも美しい光景だった。そして時の流れを感じ瞼が熱くなったのである。JR中央線・阿佐ヶ谷駅は、僕が選ぶ美しい駅百選の上位なのだ。

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『貨物列車に会うためには』

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「貨物列車に会いたいんだ。でもダイヤがわからない」
「じゃあ、私は貨物線の鉄橋の見える場所で、貨物列車が来るまで待っています」
「そうしてくれたら嬉しい。もし貨物列車が来たら大きく手を振って欲しい」
「はい。わかりました」

 僕たちは鉄橋の見える河川敷で待つ事にした。ほどなく電気機関車単体と電気機関車の2重連が来たけれど、貨物車両を長く牽引した列車はなかなか来なかった。ついに僕たちは川辺に行って釣り人の様子でも見ようと歩いていると、頭上を貨物列車が通過して行った。
「もう少し待つべきだったかな」
「やっぱり、そうだったでしょうか」

 僕たちは上流に向かってかなり歩き川の瀬の向うに小さく貨物線の鉄橋が見える場所にたどり着いた。そこで待つことにしたがやはりお目当ての貨物列車は来ない。
「来ないね」
「ええ、でも今度は来るまでここを離れないつもりです」
「ああ、僕も付き合うとも」

 暑かった。この子、日焼けするだろうな、などと考えていたら、電気機関車が鉄橋に差しかかるのが見えた。
「来た!早く水辺に立って貨物列車に手を振るんだ!」

 青い空と白い雲、青い電気機関車が牽引する数十両の緑色の貨物車、鉄橋の下の清々しい瀬、そして女の子の白い帽子とロングヘア、そして赤いスカート、それらすべてが奇跡的な光景を作っていた。僕は夢中でシャッターを押した。

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2017-06-09 : 30th個展へ向けて : コメント : 0 :

『ズッキーニ』『貨物列車』『Cry me a river』撮影報告


『ズッキーニ』

2017.6.5 model*桃

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 桃はキュウリとズッキーニとゴーヤが好きだと言った。僕はそれに加え人参も買って約束の場所で桃を待った。時間より早く着いた桃は、車のラゲッジスペースでカメラにフィルムをつめている僕の背後から気配もなく近づいてきて「こんにちは」と言った。
「びっくりしたなぁ」桃は平然と僕の横に立っている。そもそも冗談などする子ではないのだ。今日の桃は前開きの白いワンピース。清潔感がある。
「あれっ?誰かに似ている気がする」
「笑うと新田恵里に似ていると言われます」
「ああ、なるほど。昭和っぽいもんね」

 これから桃を連れて雑木林の中にある僕のスタジオへ行く。そこで桃は生野菜にかぶりつくと言う。スタジオに着くと桃はズッキーニだけを手にして他は草の上に置いたのだった。そして、桃がズッキーニをどうしたのかを書くことはできない。皆さんの方で想像して欲しい。そして、いざ桃がその行為に及んだとき、僕は夢中でシャッターを押した。そうする以外に仕方がなかった。

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『貨物列車』

2017.6.5 model*桃

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 貨物列車に轢かれた人のことを病気で熱を出したときに夢の中で見た。少年時代のことだ。桃には想像さえ難しいのかもしれない。なぜなら貨物列車を見る機会がないから。都心を走る電車に轢かれるのとはまったく違っているんだ。ぺちゃんこになったり、こなごなになったりするけど、それほど悲惨な感じじゃないんだ。しかも、そのまんま生き続けている。

 河川敷グランドの後方に貨物線の鉄橋がある。黒い日傘をさした桃をグランドに立たせる。ただし、桃はノーブラでおまけにワンピースの前を大きく開いている。やがて貨物列車が鉄橋を渡り始めた。ファインダーの中で桃の乳房が白く光って見える。なんて素晴らしい光景だろう。

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『Cry me a river』

2017.6.5 model*桃

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 少年時代の僕は河に行きやり場のない想いをやり過ごそうとした。来る日も来る日も執拗にやってくる女への夢想。桃を河に連れて行こう。そしてどうしようもなかった想いの決着をつけようではないか。そう言えば、桃は好きな曲の中にジャズのスタンダードをいくつかあげていた。『Cry me a river』はその中のひとつで僕も好きな曲だった。曲調としては、モンクの名曲『Round Midnight』みたいに精神性を追求した旋律の部類に入る。ただし少しロマンチックでムーディーだった。<私とよりを戻したいのなら河のように涙を流して泣いてごらん>みたいな歌詞だ。ともあれ、桃がこの曲が大好きだというには、それなりに似た経験があるのだろうし、その詩に描かれた女とどこか似ているのかもしれない。

 桃を河の中に見え隠れしているコンクリートの足場に立たせた。さあ、乳房を見せなさい。ヘアを見せなさい。後ろを向いてお尻を見せなさい。その先は僕がさっき言った通りだ、と言うと桃はその破廉恥な行為をごく自然にやってのけて僕を驚かせたのだった。僕の眼の前に展開している、光る河の水と初夏の青い空や白い雲に対して、桃の乳房とヘアや尻との組合せを眺めながら、ただただ感動したのだった。

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2017-06-05 : 30th個展へ向けて : コメント : 0 :

『スローモーション』他2作品の撮影報告



2017.6.3 model*桃

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 ネット上での渇いた出会いだったとしても何処かに温もりを感じることがある。桃の場合がそれで、メールの行間に何かが見え隠れしていて僕の心は揺さぶられていた。その動揺は恋しいとか愛しいというタイプの、いわゆる惹かれる感情に似ていたが何となく違っていた。その理由を知るには彼女はまだ遠い存在すぎた。いずれにしてもこの出会いに運命を感じたことは確かだったから、桃との出会いを作品にしたいと考えたのだった。

 ネット上で出会ってから十日以上の間、ずっと桃のことを考えていた。その時間を合計すればとても長い。僕は今、ホームにいて桃が来るのを待っている。いま僕の頭の中に流れる曲は『スローモーション』で、好きな曲のひとつだと桃が教えてくれた曲だ。もちろん、中森明菜の唄のことだろうけど、僕にとっては来生たかおという感じがした。
 桃が電車から降りて来た。

「はじめまして」
「桃です。はじめまして」
「そこに立っいてください」
「はい」
 桃の後方を中央線の特別快速が猛スピードで通過して行く。ファインダーの中の世界がスーモーションに見えた。そう、出会いはスローモーション。。


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『美しい緑に囲まれて』
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 僕たちはホームを降りて駅を出た。どこで撮るか決めていなかったけれど、何となく二週間前に見つけた線路脇の新緑に囲まれたエリアに桃を連れて行くことにした。そこで僕は桃に「乳房を見せなさい」と命令するのだ。
 
 撮影場所に着くと、僕たちはまるで長くコンビを組んでたみたいに、互いの呼吸があっていた。桃の乳房は思っていたよりずっと大きく白く美しかった。

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20170603momo040-1000-2blg2.jpg


『セカンド・ラブ』

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 僕が桃にもう少し撮りたいと提案すると、軽くうなずいた。林の奥へ連れて行き、椅子に座らせた。

「さあ、くつろぎなさい、そしてさっきと同じように乳房を見せなさい」
「はい」
「それから、もし出来るならば下着を脱ぎなさい」と続けた。僕はもっと撮影したいと考え初めていたが、それは違うと撮影を切り上げたのだった。このとき僕の中に流れていたのは『セカンド・ラブ』だった。別れ際に見た桃の表情は魅力的で、さっきホームで会った時とは別人のようだった。


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2017-06-03 : 30th個展へ向けて : コメント : 0 :

『路地で電車を待つ』『雑木林の向うを電車が通る』2作品を撮りました



2017.5.22 model*リス

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 あの路地は13年前に有奈という娘と行ったことがある。そこで友奈は自慰をした。そして逆光の中で愛液が光って見えたと記憶している。今日は白いワンピース姿のリスを駅で拾って、あの路地を目指している。何となく場所は憶えているのだが。あの路地の先に線路があって行き止まりになっていた。あの日僕はあの路地に迷い込んだのだった。

 あの路地をやっと探し当てた。人影が去るのを確認してリスと路地に入った。行き止まりでリスにしゃがみ込むように言い、太腿や胸元を見せるように言うと、電車がリスの背後を通過した。僕はローライフレックスのシャッターを2度押した。

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 あの路地を離れて雑木林へ向かった。僕が見つけたその場所の向こう側は電車の軌道になっている。これからここでリスは尻を出すのだ。それは、僕が長年撮り続けて来たシーンである。15年前にも同じようにお尻を見せた女がいた。やはりその背後を電車が通過して行った。そうだ、その女の名前は雪絵だった。

 リスが美しい尻をしていることを知っている。白く大きくてしなやかそうで、とても魅力的なのだ。僕が指示すると、リスは雑木林の中に立って白いワンピースを後方にまくり上げパンツを下げて白く大きな尻を出した。そこへタイミング良く電車がやってきてリスの背後を通過して行った。素晴らし過ぎて僕はもはや言葉を持たなかった。

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2017-05-22 : 30th個展へ向けて : コメント : 0 :
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プロフィール

ogaeri

Author:ogaeri
1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
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